ジャポネパニックで白昼夢。

先週の日曜日、裏原宿で迷い込んだ赤い怪しい建物。

いつか見たことがあるような気がするが、夢の中だっただろうか。

 

木製の黒い3段ほどの階段を登ると入り口のようだ。

私は恐る恐る、小刻みに震える足を両手で押さえ、一段ずつ
木の感触を足裏で確かめながら、入り口に入った。

すると、右の部屋には、人形がぶら下がっている
奇妙な部屋。
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どうも昭和、いや大正時代に迷い込んだかのような、
古風な絵が飾ってある部屋。

ふと、部屋の隅に目をやってみると、紙風船があった。

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その部屋は薄暗く、冷房もよく効いていて、
背筋が寒くなったため、そそくさと足を引きずりながら
部屋を出た。

すると、今度は右の大きめの部屋に、
シンプルな絵が整然と並んでいる。

見るに無残な緊縛を施され、吊されたような男女が
細い線で迷い無く描かれている。

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部屋の中央には「緊縛ポエトリー」という冊子が整然と並べられている。

こ、こわい・・・。

でも、どこか懐かしい、心の奥底がくすぐられるこの感じは
なんだろう。

一点一点を観るのが怖く、部屋の隅だけ鑑賞して、
私はその部屋を後にした。

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そして、廊下を歩きながら、
部屋を覗いてみると、
美しいグリーンの芝生が目に入った。

 

この建物に入る前から、緊張で顔が引きつっていたわたしは、
すがる思いで、そのグリーンの芝生に引き込まれていった。

そこには「ざくろの庭」と書かれていた。

ふと、横になろうとすると、
これも夢だろうか?

角が生えた蒼い顔をした男の子が
純粋そうな瞳で私を見ていた。

 

が、倒れるカラダを私の震えて力が入らなくなった両足は
支えることができず、床に倒れ込んだ。

そこで目に入ったのは、薔薇とざくろだった。




 

何時間、私は記憶を失っていたのだろう。

そこの建物のお手伝いさんであろうか、
若い女性が私を助け起こし、一杯の水と、
ホームページのアドレスらしき、メモを手渡して、
にっこりと微笑んだのだ。

http://www.designfestagallery.com/re/event/japone_jp.html

 

そして、やさしく耳元でこうささやいた。

「あなたは、夢を見ていたのではありません。
まだ医学的に解明されてはいないのですが、
ジャポネパニック症候群という急性の病に
かかったのです。」

「そうだったんですか・・」
と溜息をつきながら、コップの水を私は飲み干した。

「だいじょうぶ。
この館を一歩出たら、すぐにあなたの気分は晴れます。
そして、あなたは気付くはずです。
この館はあと5日で姿を変えます。
それまでに、あなたは、またこの館の今の姿の魅力に
気付き、再びここを訪れることでしょう。」

 

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